メーカー elf
原画 七瀬葵(ながせまゆ)
シナリオ 井上啓二
あらすじ
久保勝は雪村雪之丞(前回の主人公)との練習中の事故により、ボクシングができない体になってしまった。彼を心配する妹の晶子、いたってマイペースな問題児、クラスメイトのあきらたちと、不完全燃焼の自分をもてあましつつも学園生活を送っていた。
そんな勝が見つけ出す新しい道とは?
シナリオ 18/20
青春と言えば 笑い 泣き 鬱 熱血 友情 恋愛
この要素全てを満たすゲームってのはなかなかないと思っていました。
そんな中今回のあしたの雪之丞2
これはホント王道青春物の傑作
さすが全盛期のelfのなかでもYU-NOに次ぐ名作候補と言われてるだけありました。
シナリオはあらすじの通り、ボクシングを失い何か物足りない日々を過ごしながらも個性的で面白おかしいキャラたちと学園生活を過ごす第1部
インターミッションでは前作雪之丞1の主人公雪之丞視点へと変わりちょっとしたどたばた劇が見られます。
第2部ではヒロインごとの個別ルート
第1部はまさに青春良いところといった形のシナリオですね
学園で楽しい日常を過ごしながら、放課後は自分の行きたいところ(移動MAP)でヒロインor友達との交流を深め、楽しい日常ながらも各ヒロインの抱える問題を垣間見せていきます。。
1部の修学旅行へ行くor行かないところから個別分岐です。ここで主人公とヒロインとの関係が変化して後半(5ヵ月後)へと言う流れです。
インターミッションはドタバタ劇ですがちょっとしたところにこのあしたの雪之丞2の本編ともいえるシナリオ
ーそして、始まる物語
ここへの伏線がいくつか撒かれています
第2部はヒロインの個別ルートです
個別の感覚は毛色が違いますがパルフェを少し思い出しましたね
個別のメインはあきら 晶子です
残り3人のうち由美子は雪之丞が絡んでくるのとまさに青春といったシナリオだったのでかなり良かったですが残りのマキとちはるは少しラストが物足りませんでした
そしてここはもしこの先やる人がいれば知っておいてもらいたいのですが
ちはる個別のノーマルENDさらに晶子ルートはかなり純愛エロゲとしては異質です。
中身のネタバレはしませんが白字でどういうものかだけ一言で書いておきます。
晶子→勝と晶子の恋愛じゃなく、さらに晶子は誰ともくっつかない
ちはる→ノーマルENDで主人公の後輩と結婚+キス
ではネタバレなしで第2部の印象を
まず各ヒロインENDが3つあります
大体がバッド ノーマル トゥルーの3種
ここで減点要素ですがほとんどがノーマルエンドの方がすっきりしてるのと結末がいいことです。
TRUEは無理矢理最大限の幸せにしましたという少し蛇足風味なのが2つあります。
ではノーマルエンドはどうかというと
ノーマルなだけあってあきら以外はエピローグがありません
個人的にはマキのノーマルはかなり良ENDだと思います。あそこでENDにしてちょっと数年後書くだけで十分なルートになったかと
それとあきらのTRUEですが最後がいらないとは思いますね。あきらに関してはノーマルもエピローグがあるので(EDは流れない)どちらがいいかはプレイヤー次第でいいと思います
バッドはほとんどのキャラが悲惨です。
陵辱とかそういうのではないですが、全てが壊れる様を見せられます。しかもドラマチックな見せ方じゃなくあまりにも簡単に、なのにすごく痛いです。
この辺りを見て思ったのがやはり井上啓二さんは完全なハッピーを書くのが苦手だと思います。
それでは展開の方はどうかというと
こちらは素晴らしいと思います。マキ以外はまさに恋愛をしながら仲間との青春をしっかり書き、その上で困難を乗り越える、王道ですね。
ですがその王道をこれでもかと言うくらいに熱く、そして泥臭く書いているため良いリアルさが演出されていると思います。
たまに漫才がくどいと感じる部分もありますが、大体はテンポもいいので読みやすいかと思います。
そして本編である
ーそして、始まる物語
長さ的には2時間くらいですがこれの存在が雪之丞2を名作へと押し上げたシナリオだと思います。
最近のよくあるヒロイン重視のシナリオではなく勝と雪之丞のためだけに作られた主人公のためのシナリオです。
ここまでプレイしてきた人ならわかるように勝は本当に持ち前の前向きさと一途さ、そして不屈の闘志でヒロイン達を救っていきました。
ですがどのシナリオでも一回は挿入される勝の葛藤
自分は何のために生きているのか
やりたいことがわかっていて、しかもそれが今すぐにでもできる状態なのにできないもどかしさから来る鬱屈
雪之丞もせりなのおかげで立ち直ったものの
何かが足りない
くすぶっている
本当の自分はどこにいると
迷い続けます
そして二人の主人公はこの台詞
「カムバックだ」
をつぶやき最後のシナリオが幕をあけます。
二人の戦いの結末、そして二人が下す判断、そして1から続いてきたせりな 晶子 勝 雪之丞の物語の行方は?
この結末と展開に関しては全く文句がありませんでした。
ただちょっとだけ不満を言うとあきらの出番の少なさですね。
もちろん晶子はかかせませんがあの夜の部分からもう少し書き足して支える役目を分けても良かったと思います。
キャラ 20/20
まさにこれはシナリオゲーでもありキャラゲーです。
どのキャラもホントに掘り下げられており、忘れることができないであろうインパクトを持っています。
キャラ背景も深く、まさにキャラゲーの目指すべき場所といえるのではないでしょうか?
そして良いシナリオゲーには魅力のあるヒロインと主人公と親友が付き物です
まずは主人公
久保勝
この主人公あってこそのこの物語
今や失われてしまった俺様系熱血キャラ
愛すべきバカでありとにかく熱い、そして血の気が多い、ノリが良い、周りをホントに大切にするなど
今は見られない漢を体現したようなキャラです。
そして今回俺のBEST主人公で倉成武と並ぶ同率1位になりましたw
そして勝のいいところは本当に等身大
熱を失ってくすぶっていながらも家族のためにボクシングができないことからくる葛藤
正面突破タイプながらも人一倍人の気持ちの動きに敏感なところから来る迷いなど
本当に理想の良い主人公では体現できないものを持っています。
そしてもう一人欠かすことのできない永遠のライバル
雪村雪之丞
1の主人公の時は前半大分へたれの欝だったのですが今回は見事復活をとげ勝を導き、あおあいて勝に導かれるという最高のライバルに仕上がってます
そして勝を支えるヒロインの2人
久保晶子
勝の実の妹であり雪村雪之丞の元恋人に近い存在
そしてある意味雪之丞という物語のヒロイン
さらに完全無欠の妹キャラ!
水島あきら
やればやるほどわかるあきらの大切さと今ではなかなか目にかかれない記号から外れたキャラ
縁の下の力持ちであり、雪之丞2の文句なしのメインヒロイン
BADエンドではホントに胸が痛くなりました・・・
まさにスルメヒロイン
そしてまだまだ多くの魅力的なキャラがいますが全てに共通してるのが
良い意味で自由なキャラであり、最近のテンプレから外れてるキャラたちだと思います。
音楽 18/20
テンション!! バトルこの2曲を聴いたら息子が付いてる男なら燃え上がるに違いない
そのくらい最高に場面を盛り上げてくれるBGMです
そして春の優しさ
このBGMが終わった後の満足感をさらに引き上げてくれます
Vo曲のHi・Ra・Riはホントに元気が出る素晴らしい楽曲です
絵 17/20
これが本当に2002年のゲームか?
というくらいにCGが綺麗であり、さらに人物が上手です。
最近の絵よりも個人的にすごく人に近い絵だなと思いました。
さらに試合用のCGの塗りは素晴らしい
こういった場面場面でしっかり書き分けてくれているゲームはホントに良いですね
エロ 15/20
各キャラ(一人を除く)基本一回という感じです
この辺はやっぱり昔のエロゲって感じですね
ですが尺はなかなか長く絵もなかなかエロイため悪くないんではないかと思います
総評 87/100
青春物の傑作
俺は青春物でお勧めはと言われたら迷わずこれをすすめます。もちろん1もセットで
展開や文章に多少古臭さはありますが、無駄が少なくなおかつこの泥臭くも熱い生き様を描いた作品は是非多くの人にやってもらいたいです。
そしてスポーツというエロゲでは最高難易度の物語ですが確かにボクシングの試合自他はラストとあきらルートで少しある程度です。
ですがかかれる描写は本当に臨場感があり、ちゃんとボクシングをしてます。
決してなんちゃって要素にはなってないと思います。
こっからネタバレ
シナリオ欄でも書いたとおり各TRUEの結末が少し無理矢理な感じまたは蛇足風味がありました。
まずあきらルート 雪之丞を絡めながら勝が真の漢へ成長していく過程は素晴らしかったです。
そしてなにより距離感、ここがホントに気に入りました。
序盤のこのキャラだからこそ出せるという固有の雰囲気、中盤のお互いの気持ちがわかるからこそのすれ違い、そして終盤の勝の覚悟この過程は最近では見られないくらい熱い展開でした。
ノーマルはこの余韻を残したまま終わるのですが、TRUEだとラストにあきらが女子生徒の自殺しそうな現場に遭遇→アクシデントであきらが落下しそうになる→勝が助ける→アイ ラブ ユーと言わせる。
あまりにも唐突と言うかしかも尺が短すぎて??と思ったりしました。
TRUEラストは多分ノーマルの後に続くんでしょうがノーマルで終わった方がすっきりしますし、あそこでアイ ラブ ユーを言ってほしかったですね。
もう一つマキルート
ノーマルのマキが婚約し、でも別れたくない
どうすればいいかと悩んだ勝が権造パパに弟子入りしてマキと同じ位置に行くという決意をししばらくのお別れというエンド
これは勝の気持ちの書き方が素晴らしかったし、マキの愛というのもすごくうまくできていたように感じました。
ですがTRUEでは婚約者の式場に殴りこみ→あっさり奪還
尺が少し短く感じてしまいましたね
これならノーマルはこのまま
TRUEはノーマルのその後を書くという形をとっても良かったです。
最後にこれは個人的な思いなので減点部分ではないですが
やはりそして、始まる物語であきらの出番がもっと欲しかった、むしろあきらルートのその後をこのシナリオにして欲しかったです。
勝の恐怖からの震えが止まらないところにあきらがあらわれ勝を救った辺りはすごくメインぽかったですし、試合に行く勝に
「また『あした』ね」という言葉を投げかける辺りホントに勝を思ってるなーというのがすごく見られました。
もちろん晶子が支えなのは間違いではないと思います。ですがあきらにはまってしまった俺としてはあきらと付き合った状態で雪之丞との試合と言うのもよかったかなと
だからといって、そして、始まる物語の価値が下がったかと言うとそんなことは全くありません。
これはホントに素晴らしい出来でした。
では最後に俺が一番印象に残った台詞を紹介して終わります
「少しだけ、『アイ・ライク・ユー』だ」
レビュー見てくれた方々ありがとうございました
原画 七瀬葵(ながせまゆ)
シナリオ 井上啓二
あらすじ
久保勝は雪村雪之丞(前回の主人公)との練習中の事故により、ボクシングができない体になってしまった。彼を心配する妹の晶子、いたってマイペースな問題児、クラスメイトのあきらたちと、不完全燃焼の自分をもてあましつつも学園生活を送っていた。
そんな勝が見つけ出す新しい道とは?
シナリオ 18/20
青春と言えば 笑い 泣き 鬱 熱血 友情 恋愛
この要素全てを満たすゲームってのはなかなかないと思っていました。
そんな中今回のあしたの雪之丞2
これはホント王道青春物の傑作
さすが全盛期のelfのなかでもYU-NOに次ぐ名作候補と言われてるだけありました。
シナリオはあらすじの通り、ボクシングを失い何か物足りない日々を過ごしながらも個性的で面白おかしいキャラたちと学園生活を過ごす第1部
インターミッションでは前作雪之丞1の主人公雪之丞視点へと変わりちょっとしたどたばた劇が見られます。
第2部ではヒロインごとの個別ルート
第1部はまさに青春良いところといった形のシナリオですね
学園で楽しい日常を過ごしながら、放課後は自分の行きたいところ(移動MAP)でヒロインor友達との交流を深め、楽しい日常ながらも各ヒロインの抱える問題を垣間見せていきます。。
1部の修学旅行へ行くor行かないところから個別分岐です。ここで主人公とヒロインとの関係が変化して後半(5ヵ月後)へと言う流れです。
インターミッションはドタバタ劇ですがちょっとしたところにこのあしたの雪之丞2の本編ともいえるシナリオ
ーそして、始まる物語
ここへの伏線がいくつか撒かれています
第2部はヒロインの個別ルートです
個別の感覚は毛色が違いますがパルフェを少し思い出しましたね
個別のメインはあきら 晶子です
残り3人のうち由美子は雪之丞が絡んでくるのとまさに青春といったシナリオだったのでかなり良かったですが残りのマキとちはるは少しラストが物足りませんでした
そしてここはもしこの先やる人がいれば知っておいてもらいたいのですが
ちはる個別のノーマルENDさらに晶子ルートはかなり純愛エロゲとしては異質です。
中身のネタバレはしませんが白字でどういうものかだけ一言で書いておきます。
晶子→勝と晶子の恋愛じゃなく、さらに晶子は誰ともくっつかない
ちはる→ノーマルENDで主人公の後輩と結婚+キス
ではネタバレなしで第2部の印象を
まず各ヒロインENDが3つあります
大体がバッド ノーマル トゥルーの3種
ここで減点要素ですがほとんどがノーマルエンドの方がすっきりしてるのと結末がいいことです。
TRUEは無理矢理最大限の幸せにしましたという少し蛇足風味なのが2つあります。
ではノーマルエンドはどうかというと
ノーマルなだけあってあきら以外はエピローグがありません
個人的にはマキのノーマルはかなり良ENDだと思います。あそこでENDにしてちょっと数年後書くだけで十分なルートになったかと
それとあきらのTRUEですが最後がいらないとは思いますね。あきらに関してはノーマルもエピローグがあるので(EDは流れない)どちらがいいかはプレイヤー次第でいいと思います
バッドはほとんどのキャラが悲惨です。
陵辱とかそういうのではないですが、全てが壊れる様を見せられます。しかもドラマチックな見せ方じゃなくあまりにも簡単に、なのにすごく痛いです。
この辺りを見て思ったのがやはり井上啓二さんは完全なハッピーを書くのが苦手だと思います。
それでは展開の方はどうかというと
こちらは素晴らしいと思います。マキ以外はまさに恋愛をしながら仲間との青春をしっかり書き、その上で困難を乗り越える、王道ですね。
ですがその王道をこれでもかと言うくらいに熱く、そして泥臭く書いているため良いリアルさが演出されていると思います。
たまに漫才がくどいと感じる部分もありますが、大体はテンポもいいので読みやすいかと思います。
そして本編である
ーそして、始まる物語
長さ的には2時間くらいですがこれの存在が雪之丞2を名作へと押し上げたシナリオだと思います。
最近のよくあるヒロイン重視のシナリオではなく勝と雪之丞のためだけに作られた主人公のためのシナリオです。
ここまでプレイしてきた人ならわかるように勝は本当に持ち前の前向きさと一途さ、そして不屈の闘志でヒロイン達を救っていきました。
ですがどのシナリオでも一回は挿入される勝の葛藤
自分は何のために生きているのか
やりたいことがわかっていて、しかもそれが今すぐにでもできる状態なのにできないもどかしさから来る鬱屈
雪之丞もせりなのおかげで立ち直ったものの
何かが足りない
くすぶっている
本当の自分はどこにいると
迷い続けます
そして二人の主人公はこの台詞
「カムバックだ」
をつぶやき最後のシナリオが幕をあけます。
二人の戦いの結末、そして二人が下す判断、そして1から続いてきたせりな 晶子 勝 雪之丞の物語の行方は?
この結末と展開に関しては全く文句がありませんでした。
ただちょっとだけ不満を言うとあきらの出番の少なさですね。
もちろん晶子はかかせませんがあの夜の部分からもう少し書き足して支える役目を分けても良かったと思います。
キャラ 20/20
まさにこれはシナリオゲーでもありキャラゲーです。
どのキャラもホントに掘り下げられており、忘れることができないであろうインパクトを持っています。
キャラ背景も深く、まさにキャラゲーの目指すべき場所といえるのではないでしょうか?
そして良いシナリオゲーには魅力のあるヒロインと主人公と親友が付き物です
まずは主人公
久保勝
この主人公あってこそのこの物語
今や失われてしまった俺様系熱血キャラ
愛すべきバカでありとにかく熱い、そして血の気が多い、ノリが良い、周りをホントに大切にするなど
今は見られない漢を体現したようなキャラです。
そして今回俺のBEST主人公で倉成武と並ぶ同率1位になりましたw
そして勝のいいところは本当に等身大
熱を失ってくすぶっていながらも家族のためにボクシングができないことからくる葛藤
正面突破タイプながらも人一倍人の気持ちの動きに敏感なところから来る迷いなど
本当に理想の良い主人公では体現できないものを持っています。
そしてもう一人欠かすことのできない永遠のライバル
雪村雪之丞
1の主人公の時は前半大分へたれの欝だったのですが今回は見事復活をとげ勝を導き、あおあいて勝に導かれるという最高のライバルに仕上がってます
そして勝を支えるヒロインの2人
久保晶子
勝の実の妹であり雪村雪之丞の元恋人に近い存在
そしてある意味雪之丞という物語のヒロイン
さらに完全無欠の妹キャラ!
水島あきら
やればやるほどわかるあきらの大切さと今ではなかなか目にかかれない記号から外れたキャラ
縁の下の力持ちであり、雪之丞2の文句なしのメインヒロイン
BADエンドではホントに胸が痛くなりました・・・
まさにスルメヒロイン
そしてまだまだ多くの魅力的なキャラがいますが全てに共通してるのが
良い意味で自由なキャラであり、最近のテンプレから外れてるキャラたちだと思います。
音楽 18/20
テンション!! バトルこの2曲を聴いたら息子が付いてる男なら燃え上がるに違いない
そのくらい最高に場面を盛り上げてくれるBGMです
そして春の優しさ
このBGMが終わった後の満足感をさらに引き上げてくれます
Vo曲のHi・Ra・Riはホントに元気が出る素晴らしい楽曲です
絵 17/20
これが本当に2002年のゲームか?
というくらいにCGが綺麗であり、さらに人物が上手です。
最近の絵よりも個人的にすごく人に近い絵だなと思いました。
さらに試合用のCGの塗りは素晴らしい
こういった場面場面でしっかり書き分けてくれているゲームはホントに良いですね
エロ 15/20
各キャラ(一人を除く)基本一回という感じです
この辺はやっぱり昔のエロゲって感じですね
ですが尺はなかなか長く絵もなかなかエロイため悪くないんではないかと思います
総評 87/100
青春物の傑作
俺は青春物でお勧めはと言われたら迷わずこれをすすめます。もちろん1もセットで
展開や文章に多少古臭さはありますが、無駄が少なくなおかつこの泥臭くも熱い生き様を描いた作品は是非多くの人にやってもらいたいです。
そしてスポーツというエロゲでは最高難易度の物語ですが確かにボクシングの試合自他はラストとあきらルートで少しある程度です。
ですがかかれる描写は本当に臨場感があり、ちゃんとボクシングをしてます。
決してなんちゃって要素にはなってないと思います。
こっからネタバレ
シナリオ欄でも書いたとおり各TRUEの結末が少し無理矢理な感じまたは蛇足風味がありました。
まずあきらルート 雪之丞を絡めながら勝が真の漢へ成長していく過程は素晴らしかったです。
そしてなにより距離感、ここがホントに気に入りました。
序盤のこのキャラだからこそ出せるという固有の雰囲気、中盤のお互いの気持ちがわかるからこそのすれ違い、そして終盤の勝の覚悟この過程は最近では見られないくらい熱い展開でした。
ノーマルはこの余韻を残したまま終わるのですが、TRUEだとラストにあきらが女子生徒の自殺しそうな現場に遭遇→アクシデントであきらが落下しそうになる→勝が助ける→アイ ラブ ユーと言わせる。
あまりにも唐突と言うかしかも尺が短すぎて??と思ったりしました。
TRUEラストは多分ノーマルの後に続くんでしょうがノーマルで終わった方がすっきりしますし、あそこでアイ ラブ ユーを言ってほしかったですね。
もう一つマキルート
ノーマルのマキが婚約し、でも別れたくない
どうすればいいかと悩んだ勝が権造パパに弟子入りしてマキと同じ位置に行くという決意をししばらくのお別れというエンド
これは勝の気持ちの書き方が素晴らしかったし、マキの愛というのもすごくうまくできていたように感じました。
ですがTRUEでは婚約者の式場に殴りこみ→あっさり奪還
尺が少し短く感じてしまいましたね
これならノーマルはこのまま
TRUEはノーマルのその後を書くという形をとっても良かったです。
最後にこれは個人的な思いなので減点部分ではないですが
やはりそして、始まる物語であきらの出番がもっと欲しかった、むしろあきらルートのその後をこのシナリオにして欲しかったです。
勝の恐怖からの震えが止まらないところにあきらがあらわれ勝を救った辺りはすごくメインぽかったですし、試合に行く勝に
「また『あした』ね」という言葉を投げかける辺りホントに勝を思ってるなーというのがすごく見られました。
もちろん晶子が支えなのは間違いではないと思います。ですがあきらにはまってしまった俺としてはあきらと付き合った状態で雪之丞との試合と言うのもよかったかなと
だからといって、そして、始まる物語の価値が下がったかと言うとそんなことは全くありません。
これはホントに素晴らしい出来でした。
では最後に俺が一番印象に残った台詞を紹介して終わります
「少しだけ、『アイ・ライク・ユー』だ」
レビュー見てくれた方々ありがとうございました
メーカー PULLTOP
原画 八島タカヒロ , 基井あゆむ , 田口まこと(SD原画)
シナリオ 七烏未奏 , 紺野アスタ , 奥田港
あらすじ
風の吹き抜ける街『風ヶ浦市』。
ここは『風の王国』と呼ばれる学園都市。
無数の風車が立ちならび、風とともに生きる街。
といえばちょっとカッコいいが、結局のところ俺にはただの生まれ育った街でしかない。
俺こと、水瀬碧(みなせ・あおい)は、まあ色々理由はあるけれど、故郷に帰ってきた。
そこで出会ったグライダー部の少女たち、彼女たちとの生活が空への憧れのきっかけになる。
寮の問題児・車椅子の少女、羽々音小鳥(はばね・ことり)。
幼馴染の姫城あげは(ひめぎ・あげは)や理事長の孫・双子の風戸亜紗、依留(かざと・あさ、よる)、そして、伝説的存在の超絶美人なグライダー部の先輩・望月天音(もちづき・あまね)。
「どうしてもあの雲の上に行きたい!」
そんな願いを叶えるため、風車の丘の秘密基地で、俺たちの夏休みは始まった。
学園や生徒会の妨害を乗り越え、はたして、俺たちのグライダーは、この大空に翼をひろげることができるのだろうか?
シナリオ 15/20
新生PULLTOPチームによるさわやか青春ADV
確かにうたい文句のとおり終始どこか懐かしさを帯びたさわやかな物語でした。
一度夢を失った主人公と一人の少女が新たな夢を見つけ、多くの障害を乗り越えて仲間と一つのことを成す。
非常に王道でしたが、とても丁寧に過程を描かれていたため王道なシナリオでも楽しむことが出来ました。
第1部では主人公達がソアリング部に入部しある目的を達成しかけるところまでです。
ここではまだ主人公もヒロインも借り物の目的に縋っているという状態でした。
どこか一所懸命にしててもここぞと言うときに自分達の芯が薄いと感じました。
それは悪いことではなくあくまでも第1部は天音が主人公であったためでと思っています。
天音の未練によって存続していたソアリング部、そこへ惹き付けられるように集まってきた主人公達はあくまでもまだ天音先輩が掲げた目的にぶら下がっているだけであるからです。
ですが第1部を終え天音の物語は1つの区切りを終えます。
ここまでが個人的にはプロローグだと感じました。
なのでここまでは個人的に青春と言う要素があまり感じられなかったです。
では第2部ですがこちらからこの大空に、翼をひろげてという物語が始まっていきます。
こちらは少しの共通を挟んだ後にそれぞれのルートへ分岐していき、最終的な目標へ向かっていくシナリオです。
個別ルートに関してはライターが違うためか非常にどれも違った色になっています
個人的にこの大空に、翼をひろげてという物語を表現しているシナリオは小鳥だと思います。
天音の思いを引き継いだ主人公と顔も知らぬ日記だけの存在となっていたイスカの思いを継いだ小鳥
この二人がソアリング部の中心となり結末へ向かって走っていく姿は1部からの成長を非常に感じることができ、その上で自分達の過去を乗り越えていく、この展開はうたい文句のとおりさわやか青春というものでした。
では、ある意味裏主人公と思われる天音のシナリオですが
こちらはあくまでも補完的な意味合いが強いなと感じました。このシナリオはあくまでも天音が中心であり、ソアリング部に関わった人たちの物語と感じました。
なので青春という要素は薄く、さらに過去の話も少し弱く感じたり唐突に感じたため言葉の説得力も薄くあまり感情移入できませんでした。それでもその中でも達也の言葉だけは光っていました。彼が光っていたのは過去からの積みかせねによるものと共通から多く登場しているためブレが少なかったからです。そして彼のよさは他人物が語るのではなく読み手に感じさせるものだったこともあります
あげはに関しては大分ライターの力不足を感じられました。
まず展開の仕方があまりにも雑です。あげはに関することの書き方があまりにも自己中心的に書かれ多くに迷惑をかけたにもかかわらず解決は主人公だけでやる。さらにテキストのテンションが他と比べて異常な高さのため少し寒さを感じました。
このシナリオの欠点はあげはを自由に動かしたことででた周りの迷惑へのけじめの書き方が雑だったのと主人公の考えの無さだと思います。
最後に双子ですがこちらは個人的に一番好きなシナリオでした。
全ルートで一番青春と言う色が強かったのではと思います。ですがこの大空に、翼をひろげてという作品のシナリオとしては少し外れてるとも感じました。シナリオへ関わってくる時期が他のキャラよりも遅く第2部からだからというのもあります。
まず流れは小鳥の序盤と被っています。
シナリオとしては姉が単独と姉妹ルートがあり本番は姉妹ルートです。
姉ルートに関しては妹の葛藤やソアリングへの興味の本当の理由、フライトの過程が薄いためどちらかというと姉妹ルートへの前座と感じます。
では姉妹ルートですがどちらかというとこちらは妹の方へ焦点が当てられています。こちらは非常にキャラの内面に迫ったシナリオとなっていました。天才と言われる妹の振る舞い、凡才の中の天才である姉の嫉妬など姉妹のすれ違いというものがしっかりとしていました。
なにより結末が他と少し違った形であったのも好印象。
これは俺自身の青春の定義ですが
青春はやはり「成長」 「挫折」 「すれ違い」 「別れ」が大事だと思っています。
青春をしてるなと感じる時は個人的にいつも振り返ったときだと感じています。そしてそれは一定の事柄ではなく長い期間を通して得た苦さや楽しさ全てを通して得たものだと思っています。
なのであの夏は青春していたなではなく、あの1年、あの高校のころなど長い期間などを書いてくれる青春物語が個人的には好きです。
この大空に、翼をひろげては期間という点は上手に使ったなと思いました。
ですが個人的には1つの目的を終わって卒業してーという部分まで書ききって欲しかったです
キャラ16/20
個人的に残念だったのは多くの登場人物がいるのに活かしきれたのが少人数だったと言うことです。
まー坊もそうですがほたる、佳奈子、寮の面子、飛岡この辺りは描写が少なすぎてあくまでも物語に都合のいいキャラになってしまっていました。
特にまー坊はもっと主人公と協力して目的を達成していくなかでの一人としての役割を与えた方がよいのではないかと感じました。青春とうたうのに主人公しか男手がいないというのはあまりにも不自然に感じてしまいました。
ほたる、佳奈子に関しては特定のルート以外では空気化しているのが残念なのとほたるに関しては正直性格が意味不明でした。
特に説明も無いためただの痛い子に思ってしまい、少しもったいなかったと個人的には思いました。
飛岡に関してはエロゲでは非常に書くのが難しいキャラだと思います。飛岡側の事情を主人公に焦点を当てながら書き、なおかつ飛岡にも多少の正当性をもたせ救いを残す。こういうのはどちらかというと小説や漫画のほうがやりやすいですね。
あまりにも中途半端に過去の出来事が出てきたため中途半端なキャラになってしまいました。
ではメインの方ですがこちらはシナリオ欄でも書いたとおりしっかりと生きたキャラがかかれていました。
どのキャラもなんとなくで行動しているのではなくなんらかの積み重ねによって行動しており、そのなんらかをしっかり個別で掘り下げられていました。ですがあげはに関してだけは少しそこの部分が弱かったです。
音楽 17/20
曲調が個人的に好みのものが多かったです。
どこか透明感がある感じと懐かしくなるような優しいBGMと言った印象でした。
個人的には「Open The Wind」 「dreamin'little bird」がお気に入りです
ボーカル曲も非常に作品にあった歌詞であり物語中で流れるタイミングもばっちりでした
エロ 16/20
萌えゲとしてはエロ描写も頑張っていたと思います。
尺も程よく長く、キャラを崩れさせない程度のエロさ、そして構図のうまさ、CGの綺麗さなどここはなかなかレベルが高かったように感じます。
さらに予約特典でエロシーンが増加するのもなかなか面白い試みだと思いますね
システム 17/20
個人的重さも感じなく、マウスジェスチャー、ショートカットなどなかなか使いやすさがありました。
演出に関してはもう少し頑張って欲しいところでしたがエロゲの媒体で臨場感と言うのもなかなか難しい話なのでここは仕方がありませんね
総評 78/100
安定して纏まっている萌えゲの完成形だと思います。
起承転結がしっかりしているため大幅な破綻も無く、読みやすいテキストのため多くの人が安心して出来るのではないでしょうか?
ただ、どうしても丁寧すぎるせいなのか突き抜けた部分のなさと各結末での淡白さ、終盤の展開唐突さ、熱量を感じられるような部分が少なかったなどシナリオ面では少々物足りなさを個人的感じました。
そしてこちらは個人的な想いですがどうしても青春ゲーとしては弱く感じました。
それは小鳥と依留以外はみんな最初から仲が良くどうしてもすれ違いやぶつかり合いが少なく感じられたからだと思っています。
それとやはり動くキャラ数の不足でしょうか?魅力的な脇役の男友達の不足ははやり青春ゲーとしては致命的でした。
なのでソアリング部を通した主人公と小鳥の成長物語といったほうがしっくり来る気がします。
ただそれでも俺自身に高校や大学時代を思い起こさせてくれるような話でもあったためそれだけでもプレイしてよかったです。
こっからネタバレ
小鳥ルート
廃部からまたソアリング部を再興するためには何が必要かと個々人で考え行動しながら進んでいく部分は非常に良かった。その中で小鳥を中心に回っていくソアリング部で主人公と徐々に距離が近づいていく過程は恋愛物としても良く、その過程で仲間の存在感を薄くしないことも好印象
ただ終盤の親父の展開はもう少し前から存在を強くしておくべきだったのと、やるならもう少し尺を取るべきだった。唐突感とあっさり感で少しう~んとなってしまった
最後の手術の流れもひつようだったかな?と思った
天音ルート
どうにもキャラを消化しきれてない印象だった。ルート入るときのキスなど掴みが良かっただけに残念
こういうシナリオこそマルチ視点を使いながら進んでいくといいのになと思った。特に終盤の飛岡からイスカの手紙受け取った後はキャラの心情が非常に大切になる部分であったためもっと深くやって欲しかった。
あげはルート
あまりにもあげはが自由すぎてソアリング部のまとまりというものが何も感じられなかった。行き過ぎた自己犠牲を止める人や気持ちをぶつける展開なども皆無だったため熱量というか本当に何がしたいんだろうと終始感じでしまった。幼少期の告白を断った理由にしろソアリング部を避けていた理由にしろどうしても説得力が弱すぎる。壊れるのがいやという理由なら幼少期のそこの部分もしっかり書くべきだった。
双子ルート
依留の青春を見つけるというテーマは非常に良かったし、天才の扱い方も個人的に好みだった。
最後の展開も主人公ではなく双子が飛んだと言うのはいっまでのマンネリ化した結末と違ったため良かったのではないでしょうか?
何より最後の
「青春、見つけましたー」
これはこのルートを締める最高の言葉だと思います
だけど双子にかかりきりで肝心のソアリング部での活動が薄くなってしまっていたのは大幅減点。
二人を大切にするために二人を振るという最初の部分はもう少し尺を取って主人公の葛藤なんかも入れて欲しかったです。
では最後にシナリオで出てくる言葉で終わります
「青春、見つけましたー」
レビューを見てくれた方々ありがとうございました
原画 八島タカヒロ , 基井あゆむ , 田口まこと(SD原画)
シナリオ 七烏未奏 , 紺野アスタ , 奥田港
あらすじ
風の吹き抜ける街『風ヶ浦市』。
ここは『風の王国』と呼ばれる学園都市。
無数の風車が立ちならび、風とともに生きる街。
といえばちょっとカッコいいが、結局のところ俺にはただの生まれ育った街でしかない。
俺こと、水瀬碧(みなせ・あおい)は、まあ色々理由はあるけれど、故郷に帰ってきた。
そこで出会ったグライダー部の少女たち、彼女たちとの生活が空への憧れのきっかけになる。
寮の問題児・車椅子の少女、羽々音小鳥(はばね・ことり)。
幼馴染の姫城あげは(ひめぎ・あげは)や理事長の孫・双子の風戸亜紗、依留(かざと・あさ、よる)、そして、伝説的存在の超絶美人なグライダー部の先輩・望月天音(もちづき・あまね)。
「どうしてもあの雲の上に行きたい!」
そんな願いを叶えるため、風車の丘の秘密基地で、俺たちの夏休みは始まった。
学園や生徒会の妨害を乗り越え、はたして、俺たちのグライダーは、この大空に翼をひろげることができるのだろうか?
シナリオ 15/20
新生PULLTOPチームによるさわやか青春ADV
確かにうたい文句のとおり終始どこか懐かしさを帯びたさわやかな物語でした。
一度夢を失った主人公と一人の少女が新たな夢を見つけ、多くの障害を乗り越えて仲間と一つのことを成す。
非常に王道でしたが、とても丁寧に過程を描かれていたため王道なシナリオでも楽しむことが出来ました。
第1部では主人公達がソアリング部に入部しある目的を達成しかけるところまでです。
ここではまだ主人公もヒロインも借り物の目的に縋っているという状態でした。
どこか一所懸命にしててもここぞと言うときに自分達の芯が薄いと感じました。
それは悪いことではなくあくまでも第1部は天音が主人公であったためでと思っています。
天音の未練によって存続していたソアリング部、そこへ惹き付けられるように集まってきた主人公達はあくまでもまだ天音先輩が掲げた目的にぶら下がっているだけであるからです。
ですが第1部を終え天音の物語は1つの区切りを終えます。
ここまでが個人的にはプロローグだと感じました。
なのでここまでは個人的に青春と言う要素があまり感じられなかったです。
では第2部ですがこちらからこの大空に、翼をひろげてという物語が始まっていきます。
こちらは少しの共通を挟んだ後にそれぞれのルートへ分岐していき、最終的な目標へ向かっていくシナリオです。
個別ルートに関してはライターが違うためか非常にどれも違った色になっています
個人的にこの大空に、翼をひろげてという物語を表現しているシナリオは小鳥だと思います。
天音の思いを引き継いだ主人公と顔も知らぬ日記だけの存在となっていたイスカの思いを継いだ小鳥
この二人がソアリング部の中心となり結末へ向かって走っていく姿は1部からの成長を非常に感じることができ、その上で自分達の過去を乗り越えていく、この展開はうたい文句のとおりさわやか青春というものでした。
では、ある意味裏主人公と思われる天音のシナリオですが
こちらはあくまでも補完的な意味合いが強いなと感じました。このシナリオはあくまでも天音が中心であり、ソアリング部に関わった人たちの物語と感じました。
なので青春という要素は薄く、さらに過去の話も少し弱く感じたり唐突に感じたため言葉の説得力も薄くあまり感情移入できませんでした。それでもその中でも達也の言葉だけは光っていました。彼が光っていたのは過去からの積みかせねによるものと共通から多く登場しているためブレが少なかったからです。そして彼のよさは他人物が語るのではなく読み手に感じさせるものだったこともあります
あげはに関しては大分ライターの力不足を感じられました。
まず展開の仕方があまりにも雑です。あげはに関することの書き方があまりにも自己中心的に書かれ多くに迷惑をかけたにもかかわらず解決は主人公だけでやる。さらにテキストのテンションが他と比べて異常な高さのため少し寒さを感じました。
このシナリオの欠点はあげはを自由に動かしたことででた周りの迷惑へのけじめの書き方が雑だったのと主人公の考えの無さだと思います。
最後に双子ですがこちらは個人的に一番好きなシナリオでした。
全ルートで一番青春と言う色が強かったのではと思います。ですがこの大空に、翼をひろげてという作品のシナリオとしては少し外れてるとも感じました。シナリオへ関わってくる時期が他のキャラよりも遅く第2部からだからというのもあります。
まず流れは小鳥の序盤と被っています。
シナリオとしては姉が単独と姉妹ルートがあり本番は姉妹ルートです。
姉ルートに関しては妹の葛藤やソアリングへの興味の本当の理由、フライトの過程が薄いためどちらかというと姉妹ルートへの前座と感じます。
では姉妹ルートですがどちらかというとこちらは妹の方へ焦点が当てられています。こちらは非常にキャラの内面に迫ったシナリオとなっていました。天才と言われる妹の振る舞い、凡才の中の天才である姉の嫉妬など姉妹のすれ違いというものがしっかりとしていました。
なにより結末が他と少し違った形であったのも好印象。
これは俺自身の青春の定義ですが
青春はやはり「成長」 「挫折」 「すれ違い」 「別れ」が大事だと思っています。
青春をしてるなと感じる時は個人的にいつも振り返ったときだと感じています。そしてそれは一定の事柄ではなく長い期間を通して得た苦さや楽しさ全てを通して得たものだと思っています。
なのであの夏は青春していたなではなく、あの1年、あの高校のころなど長い期間などを書いてくれる青春物語が個人的には好きです。
この大空に、翼をひろげては期間という点は上手に使ったなと思いました。
ですが個人的には1つの目的を終わって卒業してーという部分まで書ききって欲しかったです
キャラ16/20
個人的に残念だったのは多くの登場人物がいるのに活かしきれたのが少人数だったと言うことです。
まー坊もそうですがほたる、佳奈子、寮の面子、飛岡この辺りは描写が少なすぎてあくまでも物語に都合のいいキャラになってしまっていました。
特にまー坊はもっと主人公と協力して目的を達成していくなかでの一人としての役割を与えた方がよいのではないかと感じました。青春とうたうのに主人公しか男手がいないというのはあまりにも不自然に感じてしまいました。
ほたる、佳奈子に関しては特定のルート以外では空気化しているのが残念なのとほたるに関しては正直性格が意味不明でした。
特に説明も無いためただの痛い子に思ってしまい、少しもったいなかったと個人的には思いました。
飛岡に関してはエロゲでは非常に書くのが難しいキャラだと思います。飛岡側の事情を主人公に焦点を当てながら書き、なおかつ飛岡にも多少の正当性をもたせ救いを残す。こういうのはどちらかというと小説や漫画のほうがやりやすいですね。
あまりにも中途半端に過去の出来事が出てきたため中途半端なキャラになってしまいました。
ではメインの方ですがこちらはシナリオ欄でも書いたとおりしっかりと生きたキャラがかかれていました。
どのキャラもなんとなくで行動しているのではなくなんらかの積み重ねによって行動しており、そのなんらかをしっかり個別で掘り下げられていました。ですがあげはに関してだけは少しそこの部分が弱かったです。
音楽 17/20
曲調が個人的に好みのものが多かったです。
どこか透明感がある感じと懐かしくなるような優しいBGMと言った印象でした。
個人的には「Open The Wind」 「dreamin'little bird」がお気に入りです
ボーカル曲も非常に作品にあった歌詞であり物語中で流れるタイミングもばっちりでした
エロ 16/20
萌えゲとしてはエロ描写も頑張っていたと思います。
尺も程よく長く、キャラを崩れさせない程度のエロさ、そして構図のうまさ、CGの綺麗さなどここはなかなかレベルが高かったように感じます。
さらに予約特典でエロシーンが増加するのもなかなか面白い試みだと思いますね
システム 17/20
個人的重さも感じなく、マウスジェスチャー、ショートカットなどなかなか使いやすさがありました。
演出に関してはもう少し頑張って欲しいところでしたがエロゲの媒体で臨場感と言うのもなかなか難しい話なのでここは仕方がありませんね
総評 78/100
安定して纏まっている萌えゲの完成形だと思います。
起承転結がしっかりしているため大幅な破綻も無く、読みやすいテキストのため多くの人が安心して出来るのではないでしょうか?
ただ、どうしても丁寧すぎるせいなのか突き抜けた部分のなさと各結末での淡白さ、終盤の展開唐突さ、熱量を感じられるような部分が少なかったなどシナリオ面では少々物足りなさを個人的感じました。
そしてこちらは個人的な想いですがどうしても青春ゲーとしては弱く感じました。
それは小鳥と依留以外はみんな最初から仲が良くどうしてもすれ違いやぶつかり合いが少なく感じられたからだと思っています。
それとやはり動くキャラ数の不足でしょうか?魅力的な脇役の男友達の不足ははやり青春ゲーとしては致命的でした。
なのでソアリング部を通した主人公と小鳥の成長物語といったほうがしっくり来る気がします。
ただそれでも俺自身に高校や大学時代を思い起こさせてくれるような話でもあったためそれだけでもプレイしてよかったです。
こっからネタバレ
小鳥ルート
廃部からまたソアリング部を再興するためには何が必要かと個々人で考え行動しながら進んでいく部分は非常に良かった。その中で小鳥を中心に回っていくソアリング部で主人公と徐々に距離が近づいていく過程は恋愛物としても良く、その過程で仲間の存在感を薄くしないことも好印象
ただ終盤の親父の展開はもう少し前から存在を強くしておくべきだったのと、やるならもう少し尺を取るべきだった。唐突感とあっさり感で少しう~んとなってしまった
最後の手術の流れもひつようだったかな?と思った
天音ルート
どうにもキャラを消化しきれてない印象だった。ルート入るときのキスなど掴みが良かっただけに残念
こういうシナリオこそマルチ視点を使いながら進んでいくといいのになと思った。特に終盤の飛岡からイスカの手紙受け取った後はキャラの心情が非常に大切になる部分であったためもっと深くやって欲しかった。
あげはルート
あまりにもあげはが自由すぎてソアリング部のまとまりというものが何も感じられなかった。行き過ぎた自己犠牲を止める人や気持ちをぶつける展開なども皆無だったため熱量というか本当に何がしたいんだろうと終始感じでしまった。幼少期の告白を断った理由にしろソアリング部を避けていた理由にしろどうしても説得力が弱すぎる。壊れるのがいやという理由なら幼少期のそこの部分もしっかり書くべきだった。
双子ルート
依留の青春を見つけるというテーマは非常に良かったし、天才の扱い方も個人的に好みだった。
最後の展開も主人公ではなく双子が飛んだと言うのはいっまでのマンネリ化した結末と違ったため良かったのではないでしょうか?
何より最後の
「青春、見つけましたー」
これはこのルートを締める最高の言葉だと思います
だけど双子にかかりきりで肝心のソアリング部での活動が薄くなってしまっていたのは大幅減点。
二人を大切にするために二人を振るという最初の部分はもう少し尺を取って主人公の葛藤なんかも入れて欲しかったです。
では最後にシナリオで出てくる言葉で終わります
「青春、見つけましたー」
レビューを見てくれた方々ありがとうございました
さあ8月のエロゲも続々マスターアップしてきました
雪月花が買う予定のエロゲは
中の人などいない! トーキョー・ヒーロー・プロジェクト
ちなみに俺は
遠野そよぎさんが大好きです
もう一本が
貧は僕らの福の神
俺の好きなライター七烏未奏が書いてるということで期待
他も萌えゲとしては安定さを誇る大三元も書いてる事から良質な萌えゲになるんでは?
さて8月は平和だなー(
魔物は9月にやってきた
候補
竜翼のメロディア
シンクライアント
リバース・コロニー
ピュアガール
九十九の奏
月3本が限界な俺にとってはひじょーに大変な問題です
これを乗り切っても12月にも第2の激戦区が・・・
と言うわけで金策します!
雪月花が買う予定のエロゲは
中の人などいない! トーキョー・ヒーロー・プロジェクト
ちなみに俺は
遠野そよぎさんが大好きです
もう一本が
貧は僕らの福の神
俺の好きなライター七烏未奏が書いてるということで期待
他も萌えゲとしては安定さを誇る大三元も書いてる事から良質な萌えゲになるんでは?
さて8月は平和だなー(
魔物は9月にやってきた
候補
竜翼のメロディア
シンクライアント
リバース・コロニー
ピュアガール
九十九の奏
月3本が限界な俺にとってはひじょーに大変な問題です
これを乗り切っても12月にも第2の激戦区が・・・
と言うわけで金策します!
メーカー Yatagarasu
原画 稲垣みいこ , たぢまよしかづ , 雪月竹馬
シナリオ 西村悠一 , 坂元星日(サブ)
あらすじ
閑静な住宅街の一角に佇む喫茶店 『紅茶館・童話の森』。
絵本や童話、壁掛けオルゴールなどが並ぶアンティークな店内。
紅茶の優しい香りと、俗世離れした女性店主が訪れる客を迎える。
主人公・名波行人は不思議な既視感に誘われるまま、喫茶店でアルバイトを始め―― その日、店に大きな木箱が届く。
木箱に入っていたのは、大量のウサギのぬいぐるみ…… そして、銀色の髪に紅い瞳をした不思議な少女だった。
サキと名乗った少女は行人に伝える。
『“運命の輪” が狂っていること』
『一週間後、行人には “死” が約束されていること』
『行人に近しい人間には “不幸” が訪れること』
サキの言葉通り、行人を中心に次々と不幸が訪れる。
半信半疑ながらも、行人は彼女を信じるようになっていく。
『助かる方法は、狂った “運命の輪” を元に戻すこと』
そんな彼らに残された日は、たった一週間。
「あえて言わせてもらうならば――“悲劇” へようこそ、だ」
今年は優等生なエロゲが続く中で突如ヤタガラスより現れた怪作
超高難易度のシステムの迷宮を潜り抜けた先に待つ童話の結末は非常にすっきりとしたとても心地よい感覚をもたらしてくれました。
シナリオ 19/20
感覚としてはシュタゲとコンチェルトノートを足した感じでしょうか。巷ではYU-NOに似てるそうですが俺はYU-NOを未プレイなのでその辺はよくわかりません。
まず肝心の出来から先に言わせてもらうと
俺は非常に楽しめました。
ここ最近のエロゲでは見られない怒涛の伏線回収と物語に仕掛けられたトリック、そしてある一途な思いがたどり着く結末のすっきりさ
この辺りのレベルは本当に高いと思います。
今回はシナリオの内容にはほとんど触れず印象メインの感想にします。
それはこの作品に関しては前情報を入れなければ入れないほどほんとに楽しめるからです。
正直他のまとめサイトとかで見ると勘違いな記事やネタが入ってるのであちらの方は真に受けないように
序盤に関しては作中に出てくる運命の輪こちらの影響といったものと古色の世界観の把握となっています。
中盤からある目的が確立されそこから主人公はそこへ向かってひたすら走り続けます。
ここの部分は下手すると全てがネタバレや想像が働いてしまうので書きません。
是非プレイしてみてください
終盤はもう怒涛の伏線回収と本当の目的への全力疾走
正直ここはあのEver17を若干思い出しました(内容という意味じゃなく、怒涛の展開的な意味で
現在2周目を少ずつやりながら考察したりしているので矛盾点はわかりませんが今のところはかなり整合性が取れていると思います。
個人的に惜しいと思ったのが中盤の主人公の目的のために疾走する動機をもっと強く、深く書いて欲しかったというところですね。
キャラクター・エロ 15/20
終盤に行くにつれキャラとキャラの扱いの差が若干出てくるところは少し減点です。
特にある2人に関しては大分悲惨です。ですがそれでもしっかりと印象に残るのはキャラとしての役割がしっかり設定されそれを完遂したからではないかと思っています。
さてでは優遇されてるキャラはどうかというとこちらは素晴らしい書き方です。
感情の移り変わり、壊れ方そして意志の強さとすごく深く書かれていたと思います。
特に主人公は好き嫌いが分かれるかもしれませんがこの意思と行動力、そして一途さは最近じゃ見ないレベルでした。
さて優遇と不遇のキャラに関してはあえて書きません。こちらも是非プレイして確かめてください
それと絵に関してはみいこさん以外は若干微妙かもしれません。ですがみいこさん担当のサキに関しては素晴らしい。
前半はちょっとうざめかもしれませんが、物語が進むにつれ可愛くなってくサキに俺はやられました
音楽 18/20
BGMは数じゃないことを証明した作品ですね。少ないながらも非常に場面に合ったものが多くどれも耳に残るものでした。
OP曲の歌詞もクリア後ならもう感涙モノ、こういう物語に合わせた歌詞というのは心に響きますね。
ただ、音楽鑑賞モードがないのだけは本当に残念です。パッチかなんかで実装してくれるとうれしいです。
システム 19/20
このゲームの売りはここです。
このゲームをやる人に今から一つ言います。もしやるなら攻略は見ないほうがいいと思います。これは物語的にもそして達成感的にも全く違いが出てきます。
もしこういうシステムが苦手や嫌悪がある方はヒントシステムがあるので積んだときだけこれを使ってみてはどうでしょうか?
さて肝心のシステムですが
フローチャートと言葉による運命操作です
前者はよく使われてるフローチャートと大体一緒です。
でメインが後者
こちらは従来の選択肢を排除し作中で手に入れた言葉を使いある場面場面を動かしていくというものです。入手した言葉は左に格納され求められる場面でその中から自分で考えて使用します。
間違えればなくなると死につながる運命量が減少、当たれば上昇など他にも色々ありますがここのようなシステムが非常に物語にマッチしておりまさにこれがあったからこそのこの物語です。
ですのでもし購入をお考えの方は一回体験版でシステムだけ体験してみるのも良いと思います。
そしてクリア後のおまけシステム
これを作った変態紳士のスタッフさんよくやってくれました。
これはホントにプレイヤーへのご褒美です。
プレイ後の虚脱感を一気に払拭してくれる画期的なものだと俺は感じています。
俺の息子も大変よろこんでおります。
エロ 10/20
こちらはまあ及第点。
エロさはほとんど皆無ですがただエロシーンにこめられてる意味がなかなかにすごい
正直エロさより悲壮感が非常に漂っていました。
ただ現在おまけHでありあるキャラのエロだけ見れてないのでもしそこに満足すれば加点があるかもしれません
総評 89/100
ループモノとしては非常に高レベルなのではないかと俺は思っています。
確かに予想外のところ(むしろキャラ買いだった)からの良シナリオだったのでもしかしたらちょっとそういう補正が効いてるかもしれませんが、それでも俺はこのゲームに出会えてよかったです。
そしてこのゲームは○ゲーです。
そして俺の中でいまやこれが○ゲーとしてTOPに君臨しました。
まだまだ2周目などをやろうと思っている作品なのでもしかしたら加点があるかもしれませんし感想も新しくネタバレオンリーで書くかもしれません。
ここまで絶賛のレビューというのは久しぶりで、個人的にはあまり絶賛して話と違うみたいなのが言われると怖いですがもしこれを見て少しでも興味をもちましたらやってみてはいかがでしょうか?
俺の中では今年のエロゲとしてこれと人類救済部がTOP争いです
ではこっから少しばかりネタバレを
この作品は多く言われてるとおり多くのトリックや展開が見たことあるものかもしれません
トリックに関していえば某シリーズのトリック
こちらのようなプレイヤー≠主人公を否定するようなシステムは賛否が分かれるのでしょう
ですが個人的にはあくまでもエロゲは読み物であると思っているので主人公=プレイヤーとは逆に思えません。
だからこそプレイヤーをゲームの一登場人物として扱うようなシステムは個人的には大好きです。
ではまずこのゲームの疑問から
まずは古色迷宮輪舞曲の世界を構築しているのは古宮舞です。
ここで言う世界と言うのは咲が死を回避するためにサキを生み出し最終的にサキが咲に戻るまでと定義します。
まず-助けて-ですが
こちらは咲(サキ)から行人へ舞からあなた(プレイヤー)へと投げかけられたものだと思います
ここは妄想ですがサキは何度もループしているような発言がありました。
では、プレイヤーであるあなたが生まれたのももっと前になるのではと思いました。
となるとループを抜けることが出来ず、さ迷っていたサキの心の声の助けて
そして助けるために古宮舞が世界を構築したがピースが足りず助けることが出来ない
そこへ現れたのがプレイヤーであるとすれば少し納得できるような気もします。
さてでは次にプレイヤーの立ち位置ですが
プレイヤーが帽子屋であるということは少なくともプレイヤーとしての主観が行人に混ざり始めたのはサキが消えてからでないとおかしいです。
さらには位置づけとしてはプレイヤーは古宮舞に非常に近いため赤髪のサキを認識できるはずですが、認識が出来るのは行人が帽子屋になると決意した後からです。
ではプレイヤーとは何か?
まず事象を超え、運命に干渉できる存在である。
では行人が事象を超えれるようになったのはなぜか?
ここは行人が帽子屋と自分を定義しそれによりプレイヤーとの主観がより濃く混ざり能力を受け継いだ。
また赤髪の咲を知るクオリアはプレイヤーも見ていないので持っていない。
赤髪のクオリアを得るのはそれが始めてであるためである
次に三月兎の存在
言うまでもなく彼女の目的は運命の輪をこれでもかと言うくらいに歪めそして過去へ戻れるだけの運命量を手に入れる。
まず第1段階がサキと咲(行人視点では助けに来た方)の邂逅
これによってまずサキの存在の否定(タイムパラドックス)
これによりサキが否定されサキが生み出される前(本来の世界)へ戻る
ここで大切なのは行人と三月兎がタイムパラドックスを観測したことではなく古宮舞に観測させること
ここで古宮舞による言葉「お願い、助けてー」
これがプレイヤーをプレイヤーとして確立させた一言だと考える
第2段階の運命量を手に入れるだがロストⅢを見たところ三月兎の方法は間違っていたと言うことであろう。
あのひどい結果を観測し続けた舞さんが言葉通り全てをなかったことにする事象を生み出したと考えられる
そしてこれも妄想ではあるがこの物語=世界は咲を助けるための物語である
ならば行人がここへたどり着くためには全てのことが意味があると言うことである。
行人の罪も三月兎の凶行もそしてその凶行を行わせたうえで咲を見つけ、その上で歪みの原因である三月兎の排除
ここから三月兎という存在も結局は古宮舞によるこの童話によって結末を迎えるために用意された役者と言えるであろう
そして古宮舞はサキだけを助けると入っていなかった。
もちろんこれは詭弁ともいえるしこじつけだと自分でも思う
古宮舞が助けたかったのは自分に関わった人達と思っている。
そして月が星を助けるために必要なのは三月兎の決意ではなく姫野美月が全てを経験し得た美月だけのクオリアが鍵だったと思う
謎な点としては三月兎が輪を越えた先でサキがいないことを知っていた事実
こちらは不明であり行人を協力させるためのハッタリと考える
次は事象の移動
これは先ほども説明したように行人はプレイヤーから美月は古宮舞からである。
ではサキのハートのエースであるがこちらは設定不足と感じる。
記憶の復活条件は2種で
行人による言葉
ハートのエースという記憶を保存するボックスをマーカーとする
前者は物語を追っていたため納得できるが後者の設定が不足していると感じた。
トランプによる自己暗示で記憶保存というのは流石に安易すぎると感じた。さらにこれはサキだけではなく美月も可能である
なのでここの部分(事象移動と記憶の引継ぎに関しては若干俺の理解不測である)
運命の輪が正常になった後のED変化
月と星の和解に関しては特に問題ないといえるであろう。なぜならあれはTREUエンドの事象内での話であり記憶を持った行人、咲が存在してるのは不思議じゃない。
この二人の記憶保持に関してはご都合主義的なものであるとは思う。
物語で動いていた行人とサキはやはり消えたと俺は思っている。
超えた先の主観に統合されたというのが正しいと思っている。
こちらは小説版のシュタインズゲートでも同じでありあちらも最後の結末を迎えるために失敗を迎えたが結局は主観が継続した
こちらも存在が消えた後主観が越えた先の主観へ統合され連続したのではと思っている。
ではなぜここで咲は連続しなかったのか?
あくまでもサキは狂いによって生み出され存在としてはあいまいなものだった。
だからこそ主観が混じらず不連続になったのだと考える。
では遠回りしたが謎は一葉と和奏EDである。
彼女らは改変後幸せな結末を迎えている。さらには記憶もどこまでかはわからないが引き継いでいる。
さらに和奏に関しては事象を超える力も持っていることが一葉BADで確認されている。
これにより和奏への事象を与えたものと記憶の引継ぎ方法が不明なまま終わっている
このように矛盾や曖昧さは考察してみると多少出てくるがそれでもプレイ中は楽しめ、一気に終わらすことが出来る力もあったと個人的に思ってる。
多く言われているサキへの思い入れの強さが少し不明と書かれている点
こちらは完全にライターの力不足である
確かにあの輪の中だけでは少々説得力に欠けるが個人的には最初の方は躊躇いもあったし、なにより最初の行動を後押ししたのは他でもないプレイヤーである。
それによりプレイヤーである狂った帽子屋が完全に行人に混ざり合い行人が狂った帽子屋となったのではないかと個人的な考えである。
確かにプレイヤーの意思で言葉を投げさせたと書いたがもちろん、これは物語でありプレイヤーでもそんな選択したくてしたんじゃないと言う人が出るのは当然である。なのでこれは俺の一意見として捕らえてくれるとありがたいです。
さてこれは俺の個人的な評価に関する思いです
最後にこのゲームを評価がいいと知ってプレイするのはいいと思うし人の感想を参考にしてプレイするのもいいと思うが結局は個人の感想でありあくまでも参考程度にし、鵜呑みにするのは駄目だと思う。
先発組みの感想が高いのは評価の高さを知らずにプレイしたからでありその中で楽しむことが出来た。後発組はある程度評価が揃っている中で始めているため当然受ける印象が違う。
だからこそ誰か賞賛批判しているレビューに対して批判をしたり、合わないからステマだと自分の感覚こそ正しいというのは少しおかしな話だと感じた。面白くない、面白いなどいろんな意見があるからこそ作品は成り立っていると思う
では作中のこの台詞とこれからプレイされるユーザーへのメッセージで終わりましょう
『紅茶館・童話の森』ーそれは童話の世界への入り口
「――“悲劇” へようこそ、だ」
レビューを読んでくれた方々はありがとうございました
原画 稲垣みいこ , たぢまよしかづ , 雪月竹馬
シナリオ 西村悠一 , 坂元星日(サブ)
あらすじ
閑静な住宅街の一角に佇む喫茶店 『紅茶館・童話の森』。
絵本や童話、壁掛けオルゴールなどが並ぶアンティークな店内。
紅茶の優しい香りと、俗世離れした女性店主が訪れる客を迎える。
主人公・名波行人は不思議な既視感に誘われるまま、喫茶店でアルバイトを始め―― その日、店に大きな木箱が届く。
木箱に入っていたのは、大量のウサギのぬいぐるみ…… そして、銀色の髪に紅い瞳をした不思議な少女だった。
サキと名乗った少女は行人に伝える。
『“運命の輪” が狂っていること』
『一週間後、行人には “死” が約束されていること』
『行人に近しい人間には “不幸” が訪れること』
サキの言葉通り、行人を中心に次々と不幸が訪れる。
半信半疑ながらも、行人は彼女を信じるようになっていく。
『助かる方法は、狂った “運命の輪” を元に戻すこと』
そんな彼らに残された日は、たった一週間。
「あえて言わせてもらうならば――“悲劇” へようこそ、だ」
今年は優等生なエロゲが続く中で突如ヤタガラスより現れた怪作
超高難易度のシステムの迷宮を潜り抜けた先に待つ童話の結末は非常にすっきりとしたとても心地よい感覚をもたらしてくれました。
シナリオ 19/20
感覚としてはシュタゲとコンチェルトノートを足した感じでしょうか。巷ではYU-NOに似てるそうですが俺はYU-NOを未プレイなのでその辺はよくわかりません。
まず肝心の出来から先に言わせてもらうと
俺は非常に楽しめました。
ここ最近のエロゲでは見られない怒涛の伏線回収と物語に仕掛けられたトリック、そしてある一途な思いがたどり着く結末のすっきりさ
この辺りのレベルは本当に高いと思います。
今回はシナリオの内容にはほとんど触れず印象メインの感想にします。
それはこの作品に関しては前情報を入れなければ入れないほどほんとに楽しめるからです。
正直他のまとめサイトとかで見ると勘違いな記事やネタが入ってるのであちらの方は真に受けないように
序盤に関しては作中に出てくる運命の輪こちらの影響といったものと古色の世界観の把握となっています。
中盤からある目的が確立されそこから主人公はそこへ向かってひたすら走り続けます。
ここの部分は下手すると全てがネタバレや想像が働いてしまうので書きません。
是非プレイしてみてください
終盤はもう怒涛の伏線回収と本当の目的への全力疾走
正直ここはあのEver17を若干思い出しました(内容という意味じゃなく、怒涛の展開的な意味で
現在2周目を少ずつやりながら考察したりしているので矛盾点はわかりませんが今のところはかなり整合性が取れていると思います。
個人的に惜しいと思ったのが中盤の主人公の目的のために疾走する動機をもっと強く、深く書いて欲しかったというところですね。
キャラクター・エロ 15/20
終盤に行くにつれキャラとキャラの扱いの差が若干出てくるところは少し減点です。
特にある2人に関しては大分悲惨です。ですがそれでもしっかりと印象に残るのはキャラとしての役割がしっかり設定されそれを完遂したからではないかと思っています。
さてでは優遇されてるキャラはどうかというとこちらは素晴らしい書き方です。
感情の移り変わり、壊れ方そして意志の強さとすごく深く書かれていたと思います。
特に主人公は好き嫌いが分かれるかもしれませんがこの意思と行動力、そして一途さは最近じゃ見ないレベルでした。
さて優遇と不遇のキャラに関してはあえて書きません。こちらも是非プレイして確かめてください
それと絵に関してはみいこさん以外は若干微妙かもしれません。ですがみいこさん担当のサキに関しては素晴らしい。
前半はちょっとうざめかもしれませんが、物語が進むにつれ可愛くなってくサキに俺はやられました
音楽 18/20
BGMは数じゃないことを証明した作品ですね。少ないながらも非常に場面に合ったものが多くどれも耳に残るものでした。
OP曲の歌詞もクリア後ならもう感涙モノ、こういう物語に合わせた歌詞というのは心に響きますね。
ただ、音楽鑑賞モードがないのだけは本当に残念です。パッチかなんかで実装してくれるとうれしいです。
システム 19/20
このゲームの売りはここです。
このゲームをやる人に今から一つ言います。もしやるなら攻略は見ないほうがいいと思います。これは物語的にもそして達成感的にも全く違いが出てきます。
もしこういうシステムが苦手や嫌悪がある方はヒントシステムがあるので積んだときだけこれを使ってみてはどうでしょうか?
さて肝心のシステムですが
フローチャートと言葉による運命操作です
前者はよく使われてるフローチャートと大体一緒です。
でメインが後者
こちらは従来の選択肢を排除し作中で手に入れた言葉を使いある場面場面を動かしていくというものです。入手した言葉は左に格納され求められる場面でその中から自分で考えて使用します。
間違えればなくなると死につながる運命量が減少、当たれば上昇など他にも色々ありますがここのようなシステムが非常に物語にマッチしておりまさにこれがあったからこそのこの物語です。
ですのでもし購入をお考えの方は一回体験版でシステムだけ体験してみるのも良いと思います。
そしてクリア後のおまけシステム
これを作った変態紳士のスタッフさんよくやってくれました。
これはホントにプレイヤーへのご褒美です。
プレイ後の虚脱感を一気に払拭してくれる画期的なものだと俺は感じています。
俺の息子も大変よろこんでおります。
エロ 10/20
こちらはまあ及第点。
エロさはほとんど皆無ですがただエロシーンにこめられてる意味がなかなかにすごい
正直エロさより悲壮感が非常に漂っていました。
ただ現在おまけHでありあるキャラのエロだけ見れてないのでもしそこに満足すれば加点があるかもしれません
総評 89/100
ループモノとしては非常に高レベルなのではないかと俺は思っています。
確かに予想外のところ(むしろキャラ買いだった)からの良シナリオだったのでもしかしたらちょっとそういう補正が効いてるかもしれませんが、それでも俺はこのゲームに出会えてよかったです。
そしてこのゲームは○ゲーです。
そして俺の中でいまやこれが○ゲーとしてTOPに君臨しました。
まだまだ2周目などをやろうと思っている作品なのでもしかしたら加点があるかもしれませんし感想も新しくネタバレオンリーで書くかもしれません。
ここまで絶賛のレビューというのは久しぶりで、個人的にはあまり絶賛して話と違うみたいなのが言われると怖いですがもしこれを見て少しでも興味をもちましたらやってみてはいかがでしょうか?
俺の中では今年のエロゲとしてこれと人類救済部がTOP争いです
ではこっから少しばかりネタバレを
この作品は多く言われてるとおり多くのトリックや展開が見たことあるものかもしれません
トリックに関していえば某シリーズのトリック
こちらのようなプレイヤー≠主人公を否定するようなシステムは賛否が分かれるのでしょう
ですが個人的にはあくまでもエロゲは読み物であると思っているので主人公=プレイヤーとは逆に思えません。
だからこそプレイヤーをゲームの一登場人物として扱うようなシステムは個人的には大好きです。
ではまずこのゲームの疑問から
まずは古色迷宮輪舞曲の世界を構築しているのは古宮舞です。
ここで言う世界と言うのは咲が死を回避するためにサキを生み出し最終的にサキが咲に戻るまでと定義します。
まず-助けて-ですが
こちらは咲(サキ)から行人へ舞からあなた(プレイヤー)へと投げかけられたものだと思います
ここは妄想ですがサキは何度もループしているような発言がありました。
では、プレイヤーであるあなたが生まれたのももっと前になるのではと思いました。
となるとループを抜けることが出来ず、さ迷っていたサキの心の声の助けて
そして助けるために古宮舞が世界を構築したがピースが足りず助けることが出来ない
そこへ現れたのがプレイヤーであるとすれば少し納得できるような気もします。
さてでは次にプレイヤーの立ち位置ですが
プレイヤーが帽子屋であるということは少なくともプレイヤーとしての主観が行人に混ざり始めたのはサキが消えてからでないとおかしいです。
さらには位置づけとしてはプレイヤーは古宮舞に非常に近いため赤髪のサキを認識できるはずですが、認識が出来るのは行人が帽子屋になると決意した後からです。
ではプレイヤーとは何か?
まず事象を超え、運命に干渉できる存在である。
では行人が事象を超えれるようになったのはなぜか?
ここは行人が帽子屋と自分を定義しそれによりプレイヤーとの主観がより濃く混ざり能力を受け継いだ。
また赤髪の咲を知るクオリアはプレイヤーも見ていないので持っていない。
赤髪のクオリアを得るのはそれが始めてであるためである
次に三月兎の存在
言うまでもなく彼女の目的は運命の輪をこれでもかと言うくらいに歪めそして過去へ戻れるだけの運命量を手に入れる。
まず第1段階がサキと咲(行人視点では助けに来た方)の邂逅
これによってまずサキの存在の否定(タイムパラドックス)
これによりサキが否定されサキが生み出される前(本来の世界)へ戻る
ここで大切なのは行人と三月兎がタイムパラドックスを観測したことではなく古宮舞に観測させること
ここで古宮舞による言葉「お願い、助けてー」
これがプレイヤーをプレイヤーとして確立させた一言だと考える
第2段階の運命量を手に入れるだがロストⅢを見たところ三月兎の方法は間違っていたと言うことであろう。
あのひどい結果を観測し続けた舞さんが言葉通り全てをなかったことにする事象を生み出したと考えられる
そしてこれも妄想ではあるがこの物語=世界は咲を助けるための物語である
ならば行人がここへたどり着くためには全てのことが意味があると言うことである。
行人の罪も三月兎の凶行もそしてその凶行を行わせたうえで咲を見つけ、その上で歪みの原因である三月兎の排除
ここから三月兎という存在も結局は古宮舞によるこの童話によって結末を迎えるために用意された役者と言えるであろう
そして古宮舞はサキだけを助けると入っていなかった。
もちろんこれは詭弁ともいえるしこじつけだと自分でも思う
古宮舞が助けたかったのは自分に関わった人達と思っている。
そして月が星を助けるために必要なのは三月兎の決意ではなく姫野美月が全てを経験し得た美月だけのクオリアが鍵だったと思う
謎な点としては三月兎が輪を越えた先でサキがいないことを知っていた事実
こちらは不明であり行人を協力させるためのハッタリと考える
次は事象の移動
これは先ほども説明したように行人はプレイヤーから美月は古宮舞からである。
ではサキのハートのエースであるがこちらは設定不足と感じる。
記憶の復活条件は2種で
行人による言葉
ハートのエースという記憶を保存するボックスをマーカーとする
前者は物語を追っていたため納得できるが後者の設定が不足していると感じた。
トランプによる自己暗示で記憶保存というのは流石に安易すぎると感じた。さらにこれはサキだけではなく美月も可能である
なのでここの部分(事象移動と記憶の引継ぎに関しては若干俺の理解不測である)
運命の輪が正常になった後のED変化
月と星の和解に関しては特に問題ないといえるであろう。なぜならあれはTREUエンドの事象内での話であり記憶を持った行人、咲が存在してるのは不思議じゃない。
この二人の記憶保持に関してはご都合主義的なものであるとは思う。
物語で動いていた行人とサキはやはり消えたと俺は思っている。
超えた先の主観に統合されたというのが正しいと思っている。
こちらは小説版のシュタインズゲートでも同じでありあちらも最後の結末を迎えるために失敗を迎えたが結局は主観が継続した
こちらも存在が消えた後主観が越えた先の主観へ統合され連続したのではと思っている。
ではなぜここで咲は連続しなかったのか?
あくまでもサキは狂いによって生み出され存在としてはあいまいなものだった。
だからこそ主観が混じらず不連続になったのだと考える。
では遠回りしたが謎は一葉と和奏EDである。
彼女らは改変後幸せな結末を迎えている。さらには記憶もどこまでかはわからないが引き継いでいる。
さらに和奏に関しては事象を超える力も持っていることが一葉BADで確認されている。
これにより和奏への事象を与えたものと記憶の引継ぎ方法が不明なまま終わっている
このように矛盾や曖昧さは考察してみると多少出てくるがそれでもプレイ中は楽しめ、一気に終わらすことが出来る力もあったと個人的に思ってる。
多く言われているサキへの思い入れの強さが少し不明と書かれている点
こちらは完全にライターの力不足である
確かにあの輪の中だけでは少々説得力に欠けるが個人的には最初の方は躊躇いもあったし、なにより最初の行動を後押ししたのは他でもないプレイヤーである。
それによりプレイヤーである狂った帽子屋が完全に行人に混ざり合い行人が狂った帽子屋となったのではないかと個人的な考えである。
確かにプレイヤーの意思で言葉を投げさせたと書いたがもちろん、これは物語でありプレイヤーでもそんな選択したくてしたんじゃないと言う人が出るのは当然である。なのでこれは俺の一意見として捕らえてくれるとありがたいです。
さてこれは俺の個人的な評価に関する思いです
最後にこのゲームを評価がいいと知ってプレイするのはいいと思うし人の感想を参考にしてプレイするのもいいと思うが結局は個人の感想でありあくまでも参考程度にし、鵜呑みにするのは駄目だと思う。
先発組みの感想が高いのは評価の高さを知らずにプレイしたからでありその中で楽しむことが出来た。後発組はある程度評価が揃っている中で始めているため当然受ける印象が違う。
だからこそ誰か賞賛批判しているレビューに対して批判をしたり、合わないからステマだと自分の感覚こそ正しいというのは少しおかしな話だと感じた。面白くない、面白いなどいろんな意見があるからこそ作品は成り立っていると思う
では作中のこの台詞とこれからプレイされるユーザーへのメッセージで終わりましょう
『紅茶館・童話の森』ーそれは童話の世界への入り口
「――“悲劇” へようこそ、だ」
レビューを読んでくれた方々はありがとうございました
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